
第2回
マラソンを楽しむために!
栄養学から考える「ランナー食」
立命館大学 スポーツ健康科学部
海老久美子教授(健康運動科学コース)


Q1:普段なかなか食事に気をつかえないことも多いサラリーマンランナーなのですが、週に1~2回食べて身体づくりに良い食べ物はなにかありますか?
A:まずは、できるかぎり食事に気を使うようにしてください。
身体づくりには、運動量に見合ったエネルギー量と色々な栄養素が必要です。週に1〜2回で何か良い作用をもたらすものがあるとすれば、それは、普段の食事で足りていない食べ物だと思います。
Q2:マラソン(長距離走)に向いた体質になるために、継続的に食べた方が良いものは何かありますか?
A:体質というのは人それぞれです。
特定の食べ物で、何かに特化した体質改善は難しいでしょう。ただ、自分の食事の中で不足している栄養素を補うことで、疲労回復につながったり、免疫力の向上をもたらすことは考えられるので、まず、自分の食事を見直すことを考えましょう。

Q3:マラソン前日に食べておくと良い食べ物は何かありますか?
A:主食の割合をいつもより多めにしたり、食後に果物を食べたりすることで、エネルギー源である糖質を補給することができます。
また、食べ慣れないものを食べない、消化に時間のかかるもの(油の多いもの等)を摂りすぎない、当日の補給を考えて、夕食は早めに済ませ睡眠の妨げにならないようにすることも大切です。
プロフィール
海老久美子(えびくみこ) 立命館大学スポーツ健康科学部教授。
専門分野はスポーツ栄養学、栄養教育論。専門は応用栄養学としてのスポーツ栄養・食事学。管理栄養士としてさまざまな分野で活躍。北京オリンピックでは日本選手団への現地食環境調査、JOC強化指定選手の栄養サポートを担当。また、高校球児へのサポートは20年経過。